不眠について

つい数日前、不眠について相談する為に心療内科に行ってきた。自分が不眠に悩むようになったのは、おそらく4,5年ほど前頃からだろうか。引越しをして、ワンルームに住むようになり、それほど広くなかったので、冷蔵庫のすぐ近くにベッドを置いて寝る、という状況になった。そして一晩寝てみたとき、冷蔵庫が定期的に鳴らす音でなかなか寝付けず、眠りに落ちてもまたその音がなると目覚めてしまい、といった状態で、翌朝の気分はひどいものだった。とりあえずはベッドの位置をなるべく冷蔵庫から離し、翌日寝てみると前日ほどはひどくなかったので、「慣れればどうってことはないだろう」と、その時はタカをくくっていた。

 

実際しばらくのあいだは、就寝時少し気になりはするが、少し待てば寝付ける、程度のことで、そこまで気にしていなかった。だが、自分は元々寝る前に長々と考え事をしたり、そもそも寝つきがいいほうではなかったので、次第に寝つきの悪さが進行してきて、一度ベッドに入ってから30分、1時間経っても寝付けず一度起き上がり、スマホを見たり小腹を満たしたりしてまたベッドに入る、というようなことが多くなった。当然寝不足気味になってくる。それでも、寝不足だった日の翌日は良く眠れたので、まだそこまで問題だとは思っていなかった。だが、その頻度は次第に高まっていった。原因は、仕事や人間関係のストレスもあっただろうと思う。仕事がデスクワークだった為、運動を取り入れようと考えてジム通いも始めた。それなりに効果があったようにも思うのだが、ジム通い自体が楽しかったわけではないので、きちんと定期的に続けることには精神力が必要だった。実際、デスクワークとはいえ仕事での疲れももちろんあり、それに加えて(あまり好きでない)運動をし続けるということが、なかなか難しかった。

 

その他にもさまざまな要因があったと思うが、結局うまく眠れないことで仕事にも支障が出始めた為(朝とにかくだるい、仕事中眠い、やる気が出ない等)、環境を変えるという意味も込めて、そのアパートは引っ越すことになった。冷蔵庫の音は数ある要因のひとつでしかなく(実際泊まりにきた友人の中には全く気にならないという人もいた)、そのほかの様々なストレスも要因となったことは間違いない。だが、そのアパートには他にもいろいろと不満点があったので、いい機会と思うことにしたのだった。

 

 

そして、新しいアパートに引っ越してから、一旦はかなり症状が改善された。寝付けない時間は格段に短くなったし、寝起きも良くなった。だが、やはり少し時間が経つとまた症状が出てきて、とにかく一番つらかったのは、寝起きのだるさだった。早めに布団に入り、時間的にはそれなりに眠れているにも関わらず、とにかく朝起きると体がだるく、起きるのが辛かった。毎日ではなかったが週に2・3回は、重い体を引きずるようにして仕事に行っていた。寝不足だけが原因ではないと思うが、頭痛もひどかった。不思議なことに、頭痛薬を飲むとよく眠れるような感覚があり、寝起きのだるさも少し改善された(眠くなる成分は入っていない頭痛薬)。

 

上記のようなことを周囲に話すと、「自分も不眠なので睡眠薬を飲んでいる」「どうしても眠れないときは市販の睡眠薬を使ってみてもいいんじゃない?」というような話をちらほらと聞き、それまでは薬に頼ることをなんとなく避けていたのだが、初めて市販薬を買って使ってみた。驚くほどよく眠れ、むしろ眠りすぎてしまうくらいでとても驚いた。眠りすぎはするものの、寝起きは爽快でいつものだるさは全くなく、普段の眠りはなんだったんだろうと思うほどだった。それだけに、使い続けてしまうのが怖いとも感じた。それに自分は、寝つきが悪かったり途中で起きたりということがありはするものの、時間的にはそこそこ(6時間前後)眠れているので、やはり薬を使うほどではないんじゃないか、という気持ちもあった。

 

そのような経緯で、市販薬はよほどのことがなければ使うことはなかった。その代わり頭痛薬を使う頻度は日に日に増えていった。体のだるさが頭痛薬で少しおさまるからだ。使い過ぎはよくないと思いつつ、なんとなく習慣になってしまっていた。あまりにもだるいので、職場の健康診断の問診で相談してみたことがあった。すると医師から、「一度血液検査をしてみるといいかもしれない。(緊急性はなさそうなので)風邪をひいて病院に行ったときにやってもらうといいかも。」と言われた。それからしばらくのあいだ、気にはなりつつも忙しさなどで病院を訪れる機会がなく、諸事情の後に当時の職場を退職した頃、ふとそのことを思い出して病院で検査を受けた。だが特に異常は見つからなかった。

 

それから数か月、資格の勉強などをして過ごしていたが、不眠とだるさは相変わらずだった。それほど頻繁ではなかったが以前より市販の睡眠薬を服用する回数も増えてしまっていた。ようやく観念して、心療内科を受診し、今に至る。